眠れない夜のララバイ 

誰もが自分を愛し、他者とも上手くいき、楽しく暮らすことを目指す、お婆さんのブログです

定期券を買うとき

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私が専門学校に入学したのは三十代でした。

 同じクラスの学生は二十代がほとんどで、私のような年配者は、私を含めて二人だけでした。

 

 毎日、若い人たちの中に混じっていると、いやでも自分の年齢を意識させられることになります。

 

口の悪い男子学生に年寄り扱いされると、情けなくも傷ついてしまう自分がいました。

 

 

若くありたい。

少しでも若く、、、。

 

いつのまにか、そんなふうに思うようになっていました。

 

 

ある日、定期券を買うとき、年齢を若く記入することを思い付きました。

 

ふと浮かんだ、たわいもない考えだったのに、実際に二つ若く書いてみると、本当に二歳若返ったような気になったのです。

 

味をしめて、定期券を買い換えるたびに私は若返り、とうとう五歳サバを読むまでになりました。

 

 

しかし調子に乗ったのもそこまで。

突然、奇妙な感覚に捉(とら)われたのです。

 

今回は何歳にしようかな、と思いながら定期券に記入してある五歳若い数字を見ていた時のことでした。

 

落ち着きのない不安な感覚がやってきました。

 

 

私の五年間は、どこへ行ってしまったの?

 

 

私は、自分で自分の年月を葬(ほうむ)り去っていたことに気づき、急に自分の本当の年齢が愛(いと)おしいような気持ちになっていました。

 

 

この歳まで生きてきたからこそ、志を持って今学べているのだと、ありありと、自分の状況が見えてきたのです。

 

 

いたずらに馬齢(ばれい)を重ねてきただけであっても、年齢は私そのもの。

 

私の生きた軌跡(きせき)であり、これからの日々を生きていく上で、私を底辺で支えてくれる重石(おもし)のような数字であることに、やっと気がついたのでした。

 

 

そしていま。

若かった頃にはわからなかったことや、

解けなかった言葉が、

わかることも、解けることも、多くあります。

 

 

年齢を重ねるのもいいものです。

 

 

 

 

 それでは今夜はこれにて、、、
今夜もあなたにGood Night !