眠れない夜のララバイ 

誰もが自分を愛し、他者とも上手くいき、楽しく暮らすことを目指すブログです

時空を超えた旅

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父は今でこそ元気で長生きしていますが、十数年前は病のステージや検査値からは、厳しい予後が懸念(けねん)されていました。

 

私は遠方で暮らしており、妹も多忙で、父とゆっくりした時間を持ちたいと願いつつも、できずにいました。

 

時間を作って父に会いに行こうと思うと夫に相談すると、どうせならお父さんと妹と水入らずで旅行でもしてきたら、と夫が提案してくれました。


夫も多忙で、私が出かけると負担が増えて申し訳ないのですが、運転手もしてくれるとの言葉に甘えることにしました。


今ならまだ行けるし、ゆっくり話もできると妹にも伝え、休みが合う日に出かけることにしました。


本当は母と4人で行ければ良かったのですが、母は事情で行けないため、父と娘の3人旅です。


行き先は私の希望で、父の生まれ育った懐かしい故郷に決まりました。

旅館で一泊し、最終地点は父の母と、父の兄であるM叔父が眠るお寺です。

 

遠方からの旅疲れを我が家で癒し、夫の運転で出かける朝のこと。
私はひとり庭に出て、空に向かってこう呼びかけました。

 

「M叔父さん、これから3人で懐かしい場所を訪ねて歩くよ。叔父さんにも懐かしい場所だよね?

よかったら、叔父さんも一緒に来ない?」

 

後で私は叔父からのメッセージを受け取るのですが、それは後ほど。

 

 

何時間か後、私たちはある町にたどり着きました。

まわる道順は父次第。

「いやあ、全然変わっているなぁ」
と言いながら、父は辺りを見まわし、とある銀行の前に立ち止まりました。

「ここだ。ここが、お母さんと二人で小さな店をしていた所だ。(妹に)ここでお前は生まれたんだよ」


私と妹は、初めて見た銀行を、懐かしい思いで見つめました。
半世紀以上前にはここに確かにあった小さな店。そこで働く若い父母と、生まれたばかりの妹。そして3歳の私。

 

 

しばらく歩いて父は、お菓子屋さんの前で止まりました。

「ここが、お母さんが結婚するまで働いていた洋裁店があった場所だ。お母さんにも見せたかったなぁ」

 

 

それから中学校のそばの民家。
「ここにお母さんの実家があった。(私に)お前はここで生まれたんだ」

 

 

古い狛犬がいる神社の境内は、子守をしてくれた祖母が私を遊ばせた場所。かすかに記憶が残っていました。

 


「この小学校を卒業した。
家はあのあたり。下一部屋、上一部屋の小さな家。

兄貴も、ここにいるときに復員してきたが、すぐ大きな町に働きに行った。十日位居たかな」

 

 

私たちの時空を超えた旅はそうやって終わりました。
宿で三人枕を並べて眠り、翌日はお寺へ。

 

お寺でお経を読んでもらったのですが、そのとき不思議なことが起こりました。


私の肩を後ろから、誰かが「ポン!」と強く叩(たた)いたのです。


そこは父を真ん中に三人並んでイスに座っているだけで、他にはお経を上げているお坊さんしかいないのです。


「え⁈」


と思った途端、「気のせいなんかじゃないよ、オレだよ」とでも言うように、もう一度「ポン!」と強く叩かれました。


「おじさんだ!」と思いました。

叔父さんが、「一緒にまわったよ」
と、合図してくれたのだとしか思えませんでした。

 


隣の父に耳打ちして、

「私の後ろに誰かいる?」
と聞いてみましたが、もちろん誰もいないのでした。

 


叔父と私は茶目っ気がある所が似ていました。

叔父が病院で亡くなったのを知って、私は後悔しました。あの叔父が亡くなるなんて思えなかったし、私は自分が入院した時に見舞い客が負担だったので、お見舞いにも行かなかったのです。

 

いよっ、と挨拶するような肩叩きは、私の後悔をもわかっていて、気にするな、と言われている気もしたのです。

 

 

私はこの体験以来、こう思っています。

  • この世とあの世は交流している。
  • 空に向かって呼びかけさえすれば、その声は時空を超えて相手に届く。
  • そして、メッセージも送ってくれているのだ。気づきさえすれば。

 


亡くなった人が見守ってくれていることも、私は確信しています。

 

 

 今夜はこれにて、、、
今夜もあなたに Good Night !